なかなか治らない中耳炎の場合のお子様の登校・登園について

なかなか治らない中耳炎の場合のお子様の登校・登園について

お子様がなかなか中耳炎が治らない、反復しやすい中耳炎をお持ちの方へ
なかなか中耳炎が治らない理由はいくつかあるのですが、大きくいうと2つあります。

1.乳幼児の体質的な問題

もともと乳幼児は中耳炎を発症しやすいものですが、体質的に幼少期に繰り返し中耳炎を起されるお子様が時に見られます(凡そ20人に1人くらいの割合と言われています。)。
多くは年齢とともに改善していくケースが多いのですが、ただどうしても治らないケースもございます。そのような場合には、手術(鼓膜切開術やチューブ挿入術)をお奨めすることになります。

2.環境の問題

多いのは3才以下の集団保育児が繰り返したり、長引いたりする難治な中耳炎です。(ただ、肺炎球菌ワクチンなど予防接種の普及でここ数年は減少傾向のように思われます。)
免疫能力が未熟なうちに保育園で繰り返し、他のお子様にかぜをうつされ、自然治癒能力が乏しい状態になっています。また、抗生物質が効きにくい耐性菌をうつされる場合が多いのでより一層治療が難しくなっております。

そのような場合の治療方法ですが、以下のことも検討していかなくてはいけません。

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① 入院による点滴治療
急性中耳炎がひどく、繰り返し発熱を起こす場合は、入院による点滴治療により、劇的に改善するケースが多いのですが、かぜをひくとまたすぐに戻ってしまうケースが多いのが難点です。

② 休園措置
しばらくかぜをうつされないようにする、また免疫能力を十分に回復させるために、お父様かお母様のどちらかが仕事を休まれ、十分治るまで休園して頂きますよう、お願いいたします。休園期間はお子様の年齢や状態によって異なりますので、ご相談の上、決めていきます。(1~3ヶ月が目安、時に6ヶ月以上の長期間に渡ることも稀にあります。)

③ 鼓膜チューブ挿入術
3ヶ月~6カ月以上治らない滲出性中耳炎の場合、一時治ってもすぐに繰り返す場合、休園措置をご家庭の事情などで出来ず、急性中耳炎を繰り返してしまうお子様の場合に最後の手段として鼓膜チューブ挿入術を行ないます。